また一人、送り狼のご
また一人、送り狼のご登場ってわけだ。
まったくもう。いくら男性ばかりのブラック企業だからって、あからさますぎやしないか?
なんと、灯の届かぬところからあらわれたのは……。
だれだ?だれだったっけ?こんな若くておとなしそうな男、にいたか?
見知らぬ若い男である。https://domoto63.blog.shinobi.jp/Entry/18/ http://eugenia22.eklablog.net/-a213990715 https://mis2231.atgj.net/Entry/20/ にいたか?
見知らぬ若い男である。
「殿。三番組の隊士で会津藩脱藩。一刀流の目録でございます」
「そ、そうなのか?」
副長が、驚きの声をあげた。
その声で、先程の眉間の皺は、おれと同様に若い隊士がたれだかわからないことによる戸惑いだったのだとしれた。
それにしても、三番組の隊士?
まったく気がつかなかった。しかも、会津藩脱藩?
そりゃぁ、道場主の奥方と娘さんの知り合いであってもおかしくないな。
あとで俊春が補足説明をしてくれた。
松田が入隊したのは、斎藤が三番組を引き連れ会津にきてからだそうだ。
松田は、それまでは江戸でふらふらと活動をしていたらしい。しかも、斎藤と知り合いでおれたちとも面識のある会津藩士とも交流があるらしい。
新撰組に入隊したのは、その兼川の仲介があったかららしい。
それゃあ、松田のことをしらないはずだ。
斎藤も、ドタバタしていて報告を忘れていたのであろう。
結局、道場主の奥方と娘さんは、松田が送っていった。
ちなみに、松田はこのすぐあとに離隊した。もちろん、円満にである。
このことで、どうやら道場主の娘さんと付き合うようになったとか。こんなご時世ではあるが、そういう話題はうれしいものである。
もっとも、パーフェクトなまでに油揚げをかっさらわれたイケメンとその弟子野村は、渋いになっていたが。
そんなちょっとしたエピソードは兎も角、大広間にもどってから豆腐づくし料理を堪能した。
沢と久吉とともに。
料理はすっかり冷めてしまっているが、そんなことは関係なしに、豆腐カツ丼も豆腐ステーキも豆腐ハンバーグもうますぎる。ステーキやハンバーグにかかっているたれも、いい仕事をしすぎている。
サイドメニューも同様で、湯葉の汁物、白和えや煮物など、すべて最高である。
噛みしめながら、「豆腐は低カロリー、高タンパク質、多少喰っても太らない」なんて都合のよすぎるいい訳をしまくってしまう。
白虎隊、新撰組問わず、ほとんどの者がおかわりをし、喰いおわっている。大広間に入りきれなかったの隊士たちも、喰いおわって大広間にやってき、白虎隊の隊士たちと談笑している。
みな、すっごくしあわせそうだ。とくに、白虎隊の隊士たちは、うまいものをたらふく喰い、最高の気分にちがいない。
うまい物は、の気持ちを癒し、裕福にする。
これは古今東西を問わず、共通のようである。
結局、白虎隊の隊士たちは宿に泊まっていった。
市村と田村は、同年代の子どもらといっしょに夜更かしできるのがうれしいらしい。ずいぶんとおそくまでトークをしていたようである。しまいには、枕投げ大会にまで発展し、その尋常でない大騒ぎに、副長に雷を落とされていた。
相棒も、庭で「うるさいな、もう」ってで、丸くなっていた。
朝は、俊春と宿の料理人たちがおにぎりを握ってくれた。
おにぎりに、昨夜の豆腐をつかったみそ汁と沢庵がそえらえた。
贅沢にも、銀シャリのおにぎりである。かれらは、昨夜同様うれしそうに頬張っていた。
それをみながら、一人でもおおくの者が無事にこの戦をきり抜けてほしい。あらためてそう願わずにはいられなかった。
そして、かれらは何度も礼をいいつつ、若松城へともどっていった。
は、それを見送ってから、あらためて大広間に招集された。
マジな話し合いをするためである。
斎藤たち三番組と安富が増えたため、最初の夜より大広間のスペースがせまく感じられる。
もちろん、沢と久吉、市村と田村も隊士たちのうしろで正座している。
副長が上座に、その右斜めまえ、廊下側に島田、中島、おれ、俊春の順に並び、左斜めまえには斎藤、蟻通、尾関に尾形が順に並び座っている。
隊士たちは、窮屈そうにしている。いずれも、いまからおこなわれる話し合いに備え、マジな
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